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禁断兄妹

第12章 コイワズライ


あの夜
神社から帰ってきた俺は部屋に入るとすぐに
父さんの携帯に電話をした。

出張から戻るのを待つことも考えたが
そんなことをしていたら又タイミングを逃す

萌には俺から近い内に真実を伝えるつもりだと
とりあえず電話で父さんには話しておこうと思った。


「柊か‥‥?どうした」


俺からの電話に
父さんは驚きを隠せない様子だった。

だろうな

俺が父さんの携帯に電話をするのは
母さんが危篤になった時以来だった。


「今‥‥ちょっといい?」


「‥‥どうした、何かあったか」


固い声

父さんにも
まだあの時のことが
記憶にあるんだろうか


「ちょっと話したいことがあるんだ」


俺の言葉に父さんは一瞬黙った。


「まだ社内だから‥‥移動する。折り返すか?」


「いや、このまま待ってるよ」


「わかった」


椅子から立ち上がる気配
時計に目をやると九時を過ぎている。

まだ仕事してるんだな

そう思った途端
母さんが死んだ時のことが胸に甦りそうになって
俺は頭を振った。

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