禁断兄妹
第13章 ごめん萌
そんな可愛いことを言われると
萌はまだ熱があるのに
もっと喋っていたくなる。
「学校はどう?」
「うん。すごく楽しい」
「そうか。いじめられたりしたらすぐに言えよ。俺がボコボコにしてやるから」
「ふふふ。中学校に来るの?」
「ああ。バイクで乗り込むから」
「持ってないくせにー」
「レンタルして行く」
「あはは」
こんなたわいもない会話が楽しい。
嬉しくて
心が弾む。
俺は久しぶりに入った萌の部屋を
なんとなく見渡した。
暗いからよく見えないけれど
整頓された女の子らしい部屋
萌が好きなアイドルグループのポスターやカレンダーが貼ってある。
そういえば
なんの躊躇もなく部屋に入ったけど
大丈夫だったんだろうか
俺は今更ながら
そんなことを思った。
勉強を教えたり風邪をひいた時の看病とかで
俺は昔から萌の部屋によく出入していたけれど
もう萌は中学生で
年頃の女の子なんだから
気を使うべきだったか。
ちょうど会話が途切れたこともあって
俺は急に居心地の悪さを感じた。