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禁断兄妹

第13章 ごめん萌


萌は小さな咳を繰り返しながら
暗がりから上半身を起こすと
サイドテーブルの上にあったグラスに手を伸ばした。

その姿が
窓から差し込む月明かりに
青白く照らされた。

俺に横顔を見せながら
グラスに口をつけて
乱れた髪を
もう片方の手でゆっくりと耳にかける萌

その仕草に
俺の心臓が

トクン、と
音を立てた。

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