禁断兄妹
第13章 ごめん萌
「萌‥‥」
小さく声に出すと
興奮が増して
やばい
もう抜けそうだ
俺はボックスティッシュに手を伸ばして
ひったくるように何枚か掴むと
先端にあてがった。
お兄ちゃん‥‥お兄ちゃん‥‥っ
萌の鳴き声を想像しながら
手の動きを早める。
「‥‥く‥‥っ‥‥」
俺はあっという間に果てた。
暗闇に
俺の荒い息遣いと
欲望の匂いが広がる。
性急な身体の疼きは収まったけれど
萌を欲望の生け贄にした罪悪感が
じわじわと押し寄せてくる。
それなのに
頭の中ではまだ
裸の萌が俺を誘惑する。
───もっとお喋りしたい───
さっきの萌の言葉が
───もっと、したい‥‥───
俺の脳内で勝手に変換される。
お兄ちゃん‥‥
もっと、したい‥‥
もっとエッチなこと
したい‥‥
くそっ
何考えてんだ俺
どうなってんだ俺の身体
再び固くなっていく俺自身を
俺は舌打ちしたい気持ちで
見下ろしていた。