禁断兄妹
第13章 ごめん萌
「お兄ちゃんがこんな時間に起きてるなんて、珍しいね?」
萌が鼻声で話しかけてくる。
「‥‥んー、そうか?」
そう言うのが精一杯で
俺は萌の顔を見れなかった。
昨日俺は
お前で二回抜いた
言わなきゃ絶対にわからないことだけど
息苦しくて
たまらなかった
萌は
昨日いっぱい寝たら治った感じだよ、なんて
俺の動揺に全く気づかず
嬉しそうに話しかけてくる。
「あ、ああ。そうかもな」
上の空で答えながら
俺は淹れたばかりのコーヒーをがぶ飲みして
立ち上がった。
「俺、行くわ」
「えー!!もう?!」
萌が声を上げる。
「一限目の前にゼミがあるから。用意してもう行かないと」
適当なことを言って
飲み干したカップをキッチンへ運ぶ。
戻ってくると
萌が可愛らしく口を尖らせていて
「せっかく一緒に朝御飯食べれると思ったのに‥‥」
不満そうにテーブルを両手でぱたぱたと叩く。
それを目にした俺は
胸が苦しいような
痛いような
不思議な感覚にとらわれた。