禁断兄妹
第14章 地獄への入り口
夜十一時
リビングでテレビを見ていた萌があくびをし出した。
久しぶりに父さんが帰ってきたから
まだ起きていたいようだったけれど
父さんが寝るように促して
萌はしぶしぶ部屋に入っていった。
その後美弥子もしばらく起きていたが
先に寝ているように父さんに言われて
寝室へと入っていき
俺と父さんは
二人きりになった。
あまりにも待ちわびていた瞬間だったせいか
俺は緊張感が半端なくて
空気が薄いような
息苦しさを感じた。
「‥‥一時間後、書斎に来てくれ」
父さんはそれだけ呟くと
リビングを出ていった。
ついにこの時が来た
俺は父さんの後ろ姿を
挑むような気持ちで見送った。