
禁断兄妹
第14章 地獄への入り口
顔の前で両手を交差するようにして
ガラスを避けた父さんが
その腕を下ろしながら俺を見上げる。
「確かに俺はお前と母さんを裏切った。そのことに言い訳をする気はない‥‥全部俺が悪い」
絞りだすようにそう言って
俺を見上げる。
「でもこれからは、本当の家族としてやり直せないか。そう考えてはくれないか、柊」
「‥‥っ‥‥」
父さんの言葉に
怒りの炎は更に激しく燃え盛り
俺は音がするほど歯軋りをした。
「‥‥本当の家族として‥‥?‥‥やり直せるとでも‥‥?」
俺は今
あんたと美弥子を殺したいほど憎んでいるのに
今まで萌を
心の底から愛していたのに
家族になんて戻れるわけが
ない
