禁断兄妹
第14章 地獄への入り口
「あんたじゃ話にならない‥‥美弥子を呼べよ‥‥あんたの元愛人をよ!!!」
俺の言葉に
父さんは顔色を変えた。
「俺が話したことが全てだ。悪いのは俺だ。俺を殴るなり何なり好きにしろ」
「あんたが悪いのは勿論だ‥‥でもあの天然女も同罪だ‥‥
不倫の末に後妻に収まるなんていい度胸だ。俺によく会えたな。よく一緒に暮らしてこれたな。
‥‥起こせよ。今すぐ起こせ‥‥
いや、俺が引きずり出してやる‥‥!!!」
「柊!!」
ドアに向かう俺の背中に父さんが飛びついて
羽交い締めするようにしがみつく。
「悪いのは俺だ!!美弥子に手を出したのも、萌を生ませたのも‥‥!!」
「どけ!!!」
俺は父さんの腕を力任せに剥ぎ取った。
その反動で父さんは再び床に転がる。