禁断兄妹
第15章 嫉妬‥‥暗い炎
「‥‥はい」
俺の声に
父さんが大きく息をついた。
「柊‥‥!無事か‥‥?」
自殺したとでも思ったか
白々しく感じて
俺は声をあげずに失笑した。
「今どこにいる」
「どこでもいいだろ‥‥」
「帰ってこい‥‥お前の家はここだ」
「‥‥もう帰る気はない‥‥」
俺は寝返りを打ちながら
辺りを見渡した。
小さなソファに
窮屈そうに体を折り曲げて寝ている和虎が目に入った。
ここは和虎の住むマンション
昨日
ろくに歩けなかった俺は和虎にタクシーに乗せられ
この家まで運ばれて
とりあえず食えと飯を進められて
とりあえず寝ろとベットに寝かしつけられた。
その後の記憶がないところを見ると
俺はすぐに眠ってしまったらしい。