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禁断兄妹

第16章 悪戯  ※※柊side※※


リビングに戻った俺は
ダイニングテーブルの上に置いていた鍵とバッグを手に取った。

この物音にはさすがに目を覚ますかと身を固くしたが
萌が起きた様子はない。

明かりの消えたリビング
ソファに横たわる萌の姿は暗闇に溶けていて
ここからは見えない。

動きを止めて耳を澄ますと
規則的な寝息が聞こえた。

まだ眠っている

なんてのんきな萌
俺の気も知らずに

俺は一度手に取ったバッグを
再びテーブルに静かに置いた。

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