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禁断兄妹

第16章 悪戯  ※※柊side※※


吸い寄せられるようにソファへ近づく。

萌は寝返りを打ったのか
テレビとは反対側の
ソファの背の方に顔を向けていた。

俺の掛けたブランケットを鼻先まで上げて
小さなかかとをこちらに向けている。


「萌‥‥」


小声で呼びかけたが
反応はない。


「萌、こんなとこで寝て、風邪引くぞ‥‥」


俺は心臓を早鐘のように鳴らしながら
まるで起きないかどうか確かめるように
声をかけていた。

すやすやと眠り続ける萌
全く起きる気配がない。

俺はソファに腰を下ろした。

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