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禁断兄妹

第21章 同じ世界


「目元の辺りとか?雰囲気とか?似た感じだよね。タカシ先輩がおっきくなって色っぽくなったら、お兄さん、みたいな?!」


何気ない言葉が
私の胸に突き刺さる音


「に、似てないよっ」


そう言うのが精一杯


「ほんとー?私ね、萌ちゃんがタカシ先輩のことOKしたのって、お兄さんの面影があるからかなって思ってたよ。萌ちゃんって本当お兄さんのこと───」


「そんな、全然似てないよ‥‥っ」


思わず語気を強めた私に
たかみちゃんがはっとした顔。


「ご、ごめん変なこと言って。それにタカシ先輩とはお別れしちゃったのに‥‥ごめん」


たかみちゃんは首をすくめて
ばつの悪そうな顔をした。


「う、ううん、私こそごめん‥‥」


ちょうど着いたマンションの前


「それじゃね!又明日!」


元気に手を振るたかみちゃんに
手を振り返す。


───タカシ先輩のこと、OKしたのって、お兄さんの面影があるからかなって───


その背中が見えなくなっても
私はしばらく
ぼんやりと立ち尽くしていた。

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