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禁断兄妹

第22章 俺はもう、あいつのことは忘れる


「俺、帰ります‥‥ママ、お会計」


「あら要ちゃん、もう帰るの?」


「明日から出張で、朝早いんで。一杯飲みたかっただけだから」


勘定を済ませた眼鏡は立ち上がると
俺達に向き直った。


「じゃあ、和虎君またね。おやすみ」


「あ、うん、おやすみなさい」


「柊さん」


眼鏡が唐突に俺を呼んだ。

顔を向けた俺に
眼鏡は不敵とも
哀れみともつかないような
不思議な微笑を見せた。


「‥‥あなた死相が出てますよ。気をつけて」

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