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禁断兄妹

第25章 逃げるの‥‥?


気圧されたように和虎が黙る。

ベッドの上で立ち膝になっていた俺は
どすんと腰を下ろして頭を抱えた。


「なんで一緒にいるんだ‥‥っ」


「なんでって‥‥俺が事務所に来た時に、制服姿の女の子がドアの前を行ったり来たりしててさ。何かご用ですかって声かけたら、その時はぴゅーっと逃げてったんだ。んで俺は中に入って。
 一時間位して出て来たら、その子まだうろうろしてて。気になったから、ここの事務所の者だけど、モデル志望とかなのって声かけたら、一ノ瀬と申しますが兄と連絡が取りたくて来たんです‥‥なんて言うだもん。俺びっくりしちゃって、萌?!って大声出しちゃったよ。いきなり呼び捨てにされて萌ちゃん超びっくりしてた。
 んで友人の高木ですって自己紹介してさ。俺が電話してあげるってことになって‥‥今に到る」


「‥‥余計なことすんなよ‥‥」


俺の呟きに
和虎が再び黙る。


「余計なこと‥‥しやがって‥‥」


俺は
言いたくないことを
言わなけりゃならないじゃないか

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