テキストサイズ

禁断兄妹

第25章 逃げるの‥‥?


俺の声は随分と間が抜けてたんだろう
和虎がぷっと吹き出す。


「だってー、俺がナンパした子だもん。仲良くなろうが、俺の連絡先教えようが‥‥ぶっちゃけヤろうが?俺の勝手でしょ」


和虎は勝ち誇った声でそう言い放った。


「はあ?!」


大声を出す俺に
和虎は余裕たっぷりで言葉を続ける。


「柊兄さ、俺のこと萌ちゃんに話したことないなんて言ってたくせに、柊君の友人の高木ですって俺が言ったら、もしかして和虎さんですか?だってー。萌ちゃん俺のことめっちゃ知ってたよ。
 イメージとちょっと違いましたーすごくカッコいいですねーだって。俺のことっ」


「‥‥っ」


実は和虎のこと
萌には昔から話していた。
俺の一番の親友だと。

でもなんとなく照れ臭かったし
和虎には黙っていた。


「萌ちゃんもすっかりなついてくれたし、これから二人で仲良くご飯でも食べに行くわ。心配しなくても柊兄のことはイッ・サ・イ話題にしないから。じゃーね、オ・ニ・イ・サ・マっ」


一切、と
お兄様、を
一音一音区切るように強調して
まるであっかんべーでもするような言い方。


「アホかお前!待て!!」


「何よ。もう切るって言ったの、そっちでしょ」


「なんでお前が萌とメシ食いに行くんだよ!ふざけんな!!」


なんでお前が萌と

俺の萌なのに

俺だって
死ぬほど会いたいのに

ストーリーメニュー

TOPTOPへ