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禁断兄妹

第27章 俺にとどめを刺せ


流れていく景色の中
歩いていても
電車の中でも
お兄ちゃんは口を開かず
私を見ようともしない。

まるで
たまたま帰る方角が同じなだけの他人のよう


───今の柊兄はね、無理をして、迷って、苦しんでる。もしかしたら、君を傷つけるような態度をとったり、言ったりするかも知れない。でもそれは、君を心から想うが為のことだ───


和虎さんの言葉がなければ
私はとっくに泣き出していただろう

それくらいみじめで
悲しかった。

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