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禁断兄妹

第27章 俺にとどめを刺せ


電車を降りた私達は
マンションまでの道を
無言のまま一列になって歩く。

お兄ちゃんのブーツを目で追いながら歩くうちに
後ろを歩く私の距離が離れると
お兄ちゃんの足取りがゆっくりになることに気づく。

でも決して振り返りはしない
緊張感を孕んだまま
私を全身で拒んでいるような背中。


───君は愛されている───


確かに以前はそうだったかも知れない
けれどあんなことがあった今
お兄ちゃんにとって私の存在は
苦しみでしか
ないんじゃないかな

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