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禁断兄妹

第27章 俺にとどめを刺せ


不意を突かれた私は
息を呑み凍りついた。

緩いウェーブのかかった計算された髪
目にかかっていたそれを払うようにお兄ちゃんが顔を横に倒すと
流れた前髪の間から
苦しげに寄せられた眉と
細められた切れ長の瞳が現れた。

前よりも引き締まり精悍さを増した輪郭
強い光を放つ美しい瞳

住む世界が
違う

そう思ってしまうほどの
圧倒的なオーラ

胸の奥がぎゅっと締めつけられて
全身が揺さぶられたように震えて

力を失った私の指先から
封筒が道路に落ちた。

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