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禁断兄妹

第27章 俺にとどめを刺せ


押し殺した声でお兄ちゃんが叫ぶ。

私は夢中で首を振った。

そんなこと言えない
だって私も
好き
ずっとお兄ちゃんが
好きだったのに


「早くしろ‥‥っ!もう、狂いそうだ‥‥っ」


まるで傷を負ったような悲痛な声が
私に選択を迫る。

お兄ちゃん
私に心にもないことを言えと言うの

そんなことできない

苦しくて
涙が溢れる。


「私も、お兄ちゃんが、好き、だよ‥‥っ」


「お前の好きと俺の好きは違う!俺の『好き』は、こういう『好き』なんだ‥‥っ」


お兄ちゃんは私の頬に舌を押し付けると
強く舐めあげた。

熱く濡れた舌の感触
全身に電流が駆け抜けて
びくん、と身体が震える。


「他の男にこんなものつけられて‥‥許せない‥‥っ‥‥」


荒い息遣い
再び噛みつくように舌を這わせられて
背筋を這い上がってくる快感
甘い目眩

もう駄目

私はもう
自分に嘘は
つけない


「私の好きだって、そういう好きだよ‥‥っ!お兄ちゃんのことがずっと好きだったの、好き、なの‥‥っ!」


「萌‥‥も、え‥‥っ‥‥!!」


手首を離れた手が私の首の後ろを握るように掴んで
強引に上向けると同時に
覆い被さるように
真横に傾けたお兄ちゃんの顔が迫る。


「‥‥ンッ‥‥!」


あっという間に
私の唇が
奪われた。

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