禁断兄妹
第28章 俺にとどめを刺せ ※※柊side※※
混乱する俺の耳に
泣き出す直前のような萌の震える息遣いが
小さく聞こえた。
「‥‥あのねっ、お父さんの入院してる病院、昨日変わったの」
萌は返事のない俺に向かって言葉を続けるけれど
もう俺の頭には
何も入ってこない。
さっきの言葉の意味
それが
知りたい
喉から手が出るほど
お前の気持ちが知りたい
知ったところでどうにもならない
許されない関係は変わることがない
頭では分かってるのに
歯止めが効かない
押さえつけていた感情が暴れ始めて
俺を激しく揺さぶる。