テキストサイズ

禁断兄妹

第28章 俺にとどめを刺せ ※※柊side※※


口づけながら落とした視線の先
しがみつくように
俺の腕を強く掴んでいる萌の小さな手

その手から
ジャケット越しに震えが伝わってきて
俺の心まで震わせる。

怖いか


ごめんな
ごめん

俺はこんな風にしか
お前を愛せない

地面についていた手を
萌の手の上に重ねて
そっと握った。

罪も罰も俺が受けるから

必ず守るから


お前を愛させて

俺は重ねた手に
力を込めた。

強く閉じられていた萌の瞳が
ふうっと開いて
夢見るように俺を見た。

萌の手に
再び力が込められて

閉じていく瞳から
すうっと涙が溢れて

月明かりに煌めきながら
頬を滑り落ちた。

流れ星のよう

綺麗だ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ