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禁断兄妹

第28章 俺にとどめを刺せ ※※柊side※※




あの夜俺は
この身が裂けるほどの痛みを堪えて
お前と離れた。

それがお前の為だと思ったから

でも
俺と同じように好きだと言ってくれた今

俺はもう
止められない

この手を離せない


「萌‥‥俺の彼女になって‥‥」


囁いた俺の言葉に
萌が再び瞳を開く。

涙を湛えて揺れている瞳
月夜に輝く水面のよう


「この身に代えてもお前を守るから‥‥俺を一人の男として、愛してくれないか‥‥?」


肩で息をしながら
俺をまっすぐに見つめ
息を整えるように黙っていた萌
顔を伏せるように
こくりと頷いた。


「‥‥声、聞かせて‥‥?」


あまりの愛らしさに微笑みかけると
萌は恥ずかしそうに俯いたまま


「‥‥はい‥‥」


消え入りそうな声でそう言って
もう一度頷いた。


「‥‥敬語なんだ」


可愛い

小さく笑って抱き締めると
緊張しているのか
固くなった身体。



俺の彼女

俺の彼女だ

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