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禁断兄妹

第29章 一晩中、いちゃつきたい


俺の言いつけを守って黙ったままの萌
俺も黙って抱いたままエレベーターを降りて
家のドアを萌から受け取った鍵で開け
中へと入った。

ドアが閉まると
俺の首に回していた萌の手から力が抜ける。


「到着‥‥」


何も言わずじっとしている萌を
静かに玄関に降ろした。

下を向いたまま立ち尽くしている萌
怖かったんだろう


「‥‥びっくりしたの?」


声をかける俺に
俯いたまま頷く萌

やっと靴を脱ぎ始めたが
まだ震えている。

罪の意識か

俺も靴を脱ぎながら


「もう大丈夫‥‥一応萌の顔も隠しておいたしね」


安心させるようにその手をとり
リビングへ向かう。


「彼らは入居者以外の不審者を見つけるのが仕事だから。入居者とわかれば、なんの問題もない」


萌の手を握ったままリビングの明かりをつけて
窓にカーテンを引いていく。

落ち着いてきたのか
萌も手を伸ばして俺を手伝う。


「それに‥‥キスしてるとことかは、見られていないから。心配するな」


俺の言葉に俯いて黙ったまま
繋いでる手をぶらぶらと揺らす萌

子供のような仕草に
思わず顔がほころんでしまう。


「‥‥まあ別に見られてもいいけどね」


わざとそう言って覗き込んだ顔
恥ずかしいのか耳たぶまで赤くして
俺をちらりと見てまた目を逸らす。

可愛い


「嘘だよ‥‥外であんなことして、ごめん。我慢できなかった」


俺の言葉に
萌はいっそう顔を赤らめて俯く。

可愛い

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