禁断兄妹
第29章 一晩中、いちゃつきたい
俺の言葉に
萌が顔を曇らせる。
「‥‥もう、いない‥‥」
「‥‥別れたの?」
萌が頷く。
いつ
どうして
そう言いそうになって
やめた。
俺のせいのような
気がしたから
「‥‥お別れ、したの‥‥」
独り言のように
萌が呟いた。
「‥‥ごめん」
思わずそう言った俺に
萌が首を振る。
「私が悪いの‥‥」
いや俺が
そう言おうとした俺の耳に
萌が小さな声で
「‥‥お兄ちゃんのことで頭がいっぱいになっちゃって‥‥他の人のこと考えられなくなっちゃって‥‥あれからすぐ、お別れした‥‥」
俯いた顔
赤く染まった小さな耳
あれからって
あの夜のことを言ってるのか
頭がいっぱいに
だなんて
そんな風に言われると
俺は
「そんなこと言われると‥‥俺やばいよ‥‥」
さっきの
激しく求めあった
まるでセックスのような口づけを思い出して
また身体が
熱くなってしまう。