禁断兄妹
第31章 同じ世界を生きよう
しどろもどろの萌
でもその言葉の意味に
俺は手を止めた。
「ちゃんとしたいって‥‥セックスを‥‥?」
思わず単刀直入に聞いてしまった俺に
萌は真っ赤な顔でぱっと俯く。
「俺としてもいいって、思ってくれてるの‥‥?」
こくんと
首が縦に動いた。
「ちゃんとわかってくれてたんだ‥‥」
俺は小さく笑って
可愛らしく引き結ばれてる唇にそっと口づけた。
「ごめん‥‥女の子にそんなこと言わせて‥‥でも、すごく嬉しい‥‥」
微笑みかけると
萌は真っ赤な顔を両手で覆ってしまった。
「じゃあ、お楽しみは後にとっておこうかな‥‥」
俺は脱がせようとしていたパンティを引き上げて
萌に履かせた。
俺の責めから解放された萌が
自分の部屋へと駆けていく。
その後ろ姿を見送りながら
俺は一人座り込んだまま
動けなくて
萌はもう覚悟を決めている
俺としてもいいと思ってくれている
本当に
本当に嬉しい
俺だって
そのつもりだ
そのつもりで泊まりたいと言った
けれど俺にはまだ
ほんのひとかけらの
迷いがある。
俺は立ち上がると
煙草とライターを手にバルコニーへ出た。
冷たい空気が熱く疼く身体に心地いい。
流れる紫煙を目で追いながら
俺はぼんやりと夜の街を眺めた。