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禁断兄妹

第35章 一人じゃない


「‥‥今日は仕事、休みか」


父さんが口を開く。


「ああ」


「そうか‥‥仕事、忙しいか」


「まだまだだけど‥‥それなりに仕事は増えてきてる」


「食って行けそうか‥‥?」


窓の外から視線を移すと
静かに俺を見ている父さんと目が合った。


「‥‥食って行くよ」


意識的にはっきりと言い切った俺に
父さんは嬉しそうに頷いた。


「そうか‥‥頑張れよ‥‥頑張れ‥‥」


そう言って何度も頷く姿に
また胸が軋む。

俺は頷くように
俯いた。

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