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禁断兄妹

第37章 永遠の愛を


俺は萌に向かって
両手をいっぱいに広げた。

胸を張って
指の間を思いきり開いて


「萌ーーー!!」


大声で叫んだ。

驚いたのか軽く飛び上がった萌がおかしくて
笑顔にならずにはいられない。

沸き上がる弾むような気持ち
胸が高鳴って
苦しくて
嬉しくて

この気持ちに名前につけるとしたら
きっと


「カシャッ」


シャッターを切った萌
手にしていたカメラを後ろへ放り投げる仕草をすると
満面の笑顔で
両手を広げて駆けてくる。

俺は腰を落として
飛び込んできた萌を抱き止めると
そのまま立ち上がって一回転。


「きゃあっ!?」


二回転。


「危ない、落ちるっ、キャー!!」


三回転目で
萌が笑い出す。


「靴脱げちゃう!柊っ!」


「やばい、目が回ってき、た‥‥っ」


二人抱き合ったまま
砂浜にぶっ倒れるように転がって大笑い。

大の字になった俺の上に重なって
息を切らして笑う萌





愛おしい

その小さな背中に両手を回して
また一回転。


「キャーッ!?」


もう一回転


「砂がっ、キャー!柊っ!」


素で悲鳴を上げる萌が面白くて
腕の中に萌を囲ったままごろごろと砂浜を転がるうちに
萌の悲鳴もまた笑い声に変わって

二人砂まみれで
肩で息をしながら
顔を見合わせて笑い合う。

好きだよ萌

好きだ

好きだ

溢れて止まらないこの気持ち

これがきっと

恋っていうんだ

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