禁断兄妹
第40章 二人の守護者
一緒に玄関へ行って靴を戻して
バスルームに二人で入って
手を繋いだままバスタブを洗った。
俺は右手にスポンジを持ち
萌は左手にシャワーを持つ。
左手がうまく使えない萌に何度もシャワーを引っかけられて
俺はびしょ濡れになった。
それが面白いのか
固い表情だった萌が次第に笑顔を見せ始める。
「お前、今の絶対わざとだろ」
「違うの、左手だと角度がよくわからなくて‥‥」
「じゃあ手を離すから、右手で持てよ」
「やだ」
「うわっ、おいっ」
「あはは」
やっと明るい笑い声をあげた萌
バスタブを洗い終えた俺はスポンジを放り出すと
シャワーを奪って萌の顔にかけた。
「きゃーっ!?」
大声を上げながら顔を背ける萌
「ははっ、お返し」
俺は笑いながらシャワーを壁の固定具へかけると
バスタブに湯が貯まるように切り替えて
その縁へ腰を下ろした。