禁断兄妹
第40章 二人の守護者
「後は飯だな‥‥萌が風呂に入ってる間に、何か用意しておくよ」
俺の言葉に萌は小さく首を振った。
繋いだ手が
同じように揺れる。
「お腹、空いてないの?」
「うん‥‥」
俺の前髪からぽたぽた水滴が落ちる。
片手でかき上げ撫でつける俺を
同じように濡れた顔の萌が
雫を垂らしながらじっと見ている。
不安げに揺れている
脆く
危うい眼差し
胸に
身体に
熱いものが込み上げて
俺は繋いだ手を静かに引き寄せた。
素直に俺に歩み寄った萌の背中にもう片方の手を回し
濡れた唇を重ねると
潮の香りがした。