禁断兄妹
第45章 灰谷とタカシ
「灰谷さんがいる時だけだし、そんないつも話してる訳じゃないよ」
萌は弁解するように付け加えて
そして
「‥‥ごめんなさい‥‥」
また息を吐いてしまった俺を怒っていると思ったのか
萌は消え入りそうな声を出した。
「謝らなくていい‥‥人に親切にしたり仲良くすることはいいことだし、お礼を受けとるのも悪いことじゃない。ただ萌は可愛いから、変な気を起こす奴がいるんだ‥‥灰谷みたいにね」
「灰谷さんは大人だよ。私みたいな子供に変な気なんて‥‥」
「萌は子供じゃないだろ」
俺は右手を滑り落とし
濡れたままの縦溝を人差し指でなぞった。
「‥‥っ」
腕の中の身体がひくんと震える。
「萌、彼氏いただろ。彼だって萌を女として好きだったんだ‥‥灰谷も一緒だよ」
勿論
俺も
「タカシ先輩は、年が近いから‥‥」
「年は関係ないよ‥‥自覚して?」
「う、うん‥‥お願い、指、離して‥‥っ」
「ただ撫ぜてるだけだよ‥‥感じちゃうの?」
「う、ん‥‥っ」
可愛いし
煽られる。
「身体、休めなきゃな‥‥ごめん」
俺は上下に行き来させていた指を離した。
「なあ、今話に出たタカシ先輩?のことも、少し聞いてもいいか」
本当はすごく気になっていたけれど
なんとなく昨日は聞けなかった。
「う、うん‥‥」