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禁断兄妹

第47章 優しくしたいけど、無理かも知れない~ベッドの上で⑤~


広い胸の中に抱きしめられたまま
再びゆっくりと満たされていく身体

それ以上に
心がいっぱいに満たされていく。

私の耳元から顎を引くように顔を離した柊を
溢れる想いのまま見上げた。

軽く首を振って
汗で額に貼り付いた前髪を払う柊

目の前に現れた細められた瞳は
強くて
脆くて
どうしようもなく恋しくて

緩やかに引いては押し出される熱に揺られながら
私は伸びあがるように背を反らして
熱い息を漏らす柊の唇に夢中で口づけた。


「柊‥‥愛してる‥‥」


柊の瞳が瞬く。

揺れている二人の身体
触れたと思った唇はまた離れてしまう。

息を切らして何度も追いかける私に
真横にまで傾けた柊の顔が迫って
一瞬で強く唇を奪われる。


「んぅ‥‥ッ」


でも滑り込んだ熱い舌は一度私のそれに絡みついただけで
静かに退いていった。


「‥‥してごらん‥‥?」


紙一枚ほど唇を離した柊が
囁いた。


「俺にキスしたいんだろ‥‥萌の好きなように、してごらん」

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