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禁断兄妹

第48章 あなたを許さない


見慣れたスーツ姿とは違うラフな私服
夜勤が明けた後
どこか外で俺達が出てくるのを待っていたんだろう
青白い顔

行く手を阻むように正面に立つといつもの低い声で
おはようございます、と
萌だけを見て会釈した。


「‥‥おはようございますっ」


俺のコートの裾を握りながら
なんとか元気な声を出す萌に
灰谷が険しい表情をふっと緩める。

もし灰谷に会ってもいつも通りにして堂々としていなさい
あいつに迷惑をかけている訳じゃないんだから
朝食を食べながら俺が言った言葉に頷いた萌
灰谷にぎこちないながらも笑いかける。

笑顔まで見せる必要はないが
これが萌のいつも通りなんだろう
俺は息を吐いた。

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