禁断兄妹
第48章 あなたを許さない
振り返り俺と向かい合った灰谷は
無言のまま威圧感に満ちた視線を向ける。
俺と変わらないくらいの身長
胸の厚みがその身体をより大きく見せている。
「萌から聞いたよ。仲良くさせてもらっていたそうで」
無言のままの灰谷に俺から口火を切った。
「昨日あんたを蹴ったのは悪かった。疲れていたのに意味不明な言いがかりで気分が悪くてね‥‥萌に話したら、謝れって怒られたよ」
そんな話は全くしていないが
萌の名前を出して灰谷の出方を伺う。
「‥‥ここであなたが私に言った言葉を、覚えていますか」
俺の話したことには一切触れず
灰谷は鋭い視線のまま口を開いた。