禁断兄妹
第48章 あなたを許さない
「いいか‥‥二度と萌さんに手を出すな。もしもこの先、性的虐待の事実を掴んだら、私はあなたを許さない 」
一層低くなった声
俺を睨みつける敵意に満ちた眼差し
受け止めながら考えを巡らせる。
もし灰谷が言うように
父さんと親しいなら厄介だ。
俺と萌は子連れ同士の再婚で兄妹になっただけで
血は繋がっていないから愛し合うことに問題はない、と開き直ることも考えていたが
危険だ。
父さんに事の真偽を確かめられる可能性がある。
そうでなくても
近親相姦の疑念を吹き込まれかねない。
俺の手の内から
ジョーカーが消えた。