禁断兄妹
第48章 あなたを許さない
「手を出す?虐待?」
俺は殊更呆れた声をあげた。
「さっきも萌は普通だったろう。昨日だって俺を迎えに下まで降りてきただろうが。そんな酷い目にあっているように見えるか?」
「まだ幼い萌さんは、事の異常さを理解していないだけだ。純粋な彼女に、兄からの性的虐待を愛だと思い込ませたあなたの罪は、重い」
「‥‥話にならない。その狂った妄想で、俺を警察にでも突きだしたいのか」
「まさか‥‥そんなことをしたら、萌さんはどうなる。今話題のモデルが起こした大スキャンダルに世間は沸き、萌さんは好奇の目に晒される。下劣な噂は一生ついて回り、まともな人生など歩めなくなる‥‥」
「‥‥」
身動きもしない灰谷
言葉と視線だけで俺に迫る。
「あなたは自業自得だ‥‥地獄にまで堕ちればいい。でも幼い萌さんは?どうなろうと構わないのか?あなたに人の心は有るのか‥‥っ?!」