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禁断兄妹

第49章 美弥子


それから巽さんは熱が出て
一日中ベッドの中で浅い眠りと荒い息を繰り返していた。

夕方になっても熱は下がらす
逆に上がっていく。

今日は家に戻るつもりだったけれど
巽さんのそばから離れたくない。

私は萌に電話を入れ
今夜も病院に泊まることを告げると
ベッド脇の椅子に腰掛けて巽さんを見守った。

眠りの狭間
巽さんが目を開けた時に
その視界に入っていたい。

水が飲みたいとか
暑いとか寒いとか
すぐに応えてあげたい。

そんなことぐらいしか
私にはできないから。

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