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禁断兄妹

第51章 口に出せない想い


「今ね、クッキー焼いてたの。第一弾はもうオーブンに入ってるから、もうすぐ焼けるよ」


「わー、やっぱり!家に入った時にいい薫りがしたの」


覗いたオーブンの中には可愛い型で抜かれたクッキーが並んでいる。

お父さんが病気になる前
お母さんはお菓子やパン作りの教室に通っていたから家でよく焼いてくれていた。


「最近全然作ってなかったから、たまには気分転換に作ろうって思って。生地がまだあるから、第二弾の型抜き、一緒にしよう?」


「うん!」


「ツリーもまだ出してなかったから、今日出そうね」


「うん!!」


「夕ご飯は、オムライスだよ!」


「わーい!」


思わず跳ねると
お母さんも私の真似をして跳ねながら嬉しそうに笑う。

もうすぐクリスマス

柊の誕生日ももうすぐ

───姫の永遠の愛を頂きたい───

また柊の事を思い出してしまって
胸がキュンと音をたてた。

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