禁断兄妹
第53章 由奈~終わりの始まり~
夏が過ぎて行く。
今まで生きてきた中で一番暑い
熱い夏
私は柊君に夢中だった。
修斗は店が忙しい週末にマンションに来ることはない
現れるのは大体週の真ん中
そのペースを見計らって
『今日来ない?』
『明日は?』
仕事が入っていない日は必ず柊君にメールをした。
仕事と女に忙しい柊君
マンションに来る時にしか返信はない。
「お前からのメールが一番多い」
うんざりした声を出しながらも柊君は気まぐれにやって来て
私の作ったご飯を食べて
私を抱いた。
「飯が旨いから、つい来ちまう」
「えー、ご飯の為に来てるの?本当は来たくないの?来たくないの?」
「来たくない‥‥お前はうるさい」
綺麗な眉を寄せ
そう言いながらまた私を強く抱き寄せるから
心まで抱き寄せられて
離れられない
私は
身も心も柊君の虜だった。