禁断兄妹
第53章 由奈~終わりの始まり~
今の柊君の胸の内そのままのような激しい行為に
二人性急に果てて
私達はベッドへ倒れこんだ。
しばらく二人で荒い息を繰り返していたけれど
柊君は呼吸が鎮まっても大の字になったまま動かなくて
そっと顔を覗きこむと
眠っていた。
「やだ、子供みたい‥‥」
思わず笑ってしまう。
初めて見た柊君の寝顔
危うげな色気を秘めている唇は
今は健やかな寝息を繰り返して
獰猛さを帯びていた目元も嘘のように柔らいで
「可愛い‥‥」
幸せなため息が漏れた。
疲れているだけかも知れないけれど
リラックスしてくれてるからこそ眠ってしまったと思っても
いいよね
今日
柊君が初めてランウェイに立ったコレクションを
私はこっそり見に行っていた。
贔屓目じゃなく誰よりも存在感に溢れ
強い光を放っていた柊君
そんな一流の男が
今私の隣で安らかな寝息をたてている
愛おしくて嬉しくて
胸がいっぱいになる。
無防備な寝顔を飽かず眺めていた
その時
「‥‥ェ‥‥」
美しい唇が不意に動いた。
ハッとする私の目の前で
苦し気に寄せられた眉
「‥‥モエ‥‥」