禁断兄妹
第53章 由奈~終わりの始まり~
「ねえ‥‥星の王子さまのお話って、知ってる?」
広い胸に再びもたれかかり
そっと頬を寄せた。
「知らないな」
「王子さまの胸の中にはね、自分の星に残してきた一輪の花がずっと咲いていて‥‥それが眠ってる間もランプの灯のように光って、王子さまを美しく見せてるの‥‥」
「‥‥」
私は柊君の厚く逞しい胸に手のひらを当て
そっと撫でた。
「柊君のここにも、一輪の花が咲いてるの‥‥」
「お前は、時々よくわからない事を言う」
呆れたように呟きながら
柊君は私の肩に唇を押し当てた。
「本当はわかってるはずだよ」
「お喋りはもうやめようぜ‥‥」
ため息混じりの唇が
肌を伝い鎖骨をなぞる。
「さっきは手荒なやり方して、悪かった‥‥」
「ううん‥‥柊君の激しいの、好きだよ‥‥」
肌に吹きかかる甘い苦笑い
「今度は優しくする‥‥」
両肩から滑り落とされたマキシワンピース
零れたノーブラの胸を手のひらで受け止めるように
柔らかに揉みしだかれて
その先端に優しく絡みつく熱い舌
指先は密やかな部分へと忍び込む。
「ンッ‥‥」
「‥‥もうトロトロだな‥‥」
熱い舌と指に導かれて何度も達した後
包み込むように優しく抱かれた。
荒っぽく抱かれるより
優しく抱かれるほうが泣きたくなるなんて
初めて知った。