禁断兄妹
第54章 由奈~終わりの始まり②~
「あの記事って、本当なんですか?」
ストレートな問いと視線を向けられて
私は言葉に詰まった。
じっと見つめられていたたまれない。
「なるほど」
「‥‥」
「あの記事を見つけてカシラに報告したのは克也なんですけど、『男を連れ込むなんて、嬢も大人になりましたね』なんて余計なこと言ったもんだから蹴り飛ばされましてね。結果あばらにヒビですよ」
「‥‥!!」
「もう一発入れようとしたカシラを止めた奴がいたんですが、そいつも殴り倒されて、鼻血だしてました」
まあ、あれは空気が読めないアホ克也と止めようとした奴が悪いんです
そう言ってツトムさんは笑うけれど
一緒に笑うどころか返す言葉も見つからない。
「そんな状態のまま、カシラは雑誌を持って、車で出て行かれました。それからは嬢のとこに行ってる様子がなくて。ですよね?」
窺うように首を傾げるツトムさんに
私は頷いた。
「で、カシラの様子も変だから、みんなで噂してたんです。嬢は大丈夫か、まさかあの日にバラされてねえよなぁって。見に行くかって話まで出て‥‥」
だから現れた私を見てあんなに驚いてたの
ため息が止まらなくて
両手で覆った顔を伏せた。