禁断兄妹
第54章 由奈~終わりの始まり②~
さよなら
修斗
私の夢を護り
支えてくれた人
その真心に気づかず
傷つけて
ごめんね
今まで
ありがとう───
‥‥カツンッ‥‥
飛び石のような音が聞こえた
と思った瞬間
「うわぁっ!!」
大声と共に踏まれた急ブレーキ
スピードをあげかけていた車がガクンと止まった。
慌ててドアを開けた運転席の男が
自分で外に出ようとするより早く
突っ込まれた腕に一瞬で引きずり下ろされて
「バカ野郎っ!!お前はサイドもバックも見てねえのか‥‥っ」
聞こえた怒声に耳を疑う。
「予定が変わった!俺が行く‥‥っ」
唖然とする私の目の前で入れ替わりに乗り込んできたのは
息を切らし髪をふり乱した
修斗だった。