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禁断兄妹

第54章 由奈~終わりの始まり②~


できる

そう言い切った
遠い記憶の中の修斗の笑顔

流れる夜空に
切り取った一瞬を浮かべる。

眉と目尻が下がって
とても柔らかで
温かい

懐かしく眺めながら
昔はたまに
ごくたまにだけど
優しく笑ってくれていたことを思い出す。


「‥‥こんな私に呆れて、笑顔が消えていったのかしらね‥‥」


生意気で恩知らず、だっけ

思わず苦笑い。


「‥‥は?」


「ねえ修斗‥‥私忘れていた訳じゃないけど、あの時の自立するんだっていう強い気持ち、ちょっと薄れてたかも‥‥」


人から褒められることが多かった容姿
ファッションも大好き
モデルを仕事にしてモデルのお給料だけで生きていけるくらい一流になること
自立して自由に生きていくこと

それが私の夢

ううん
私だけじゃない

───嬢が夢を叶えることが、俺の夢だった───

私と修斗
二人の夢だね

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