禁断兄妹
第57章 会いたかった
「いやー今日は盛り上がりそうだね!柊兄の鉄板ネタで、萌ちゃんの笑いのツボを押しまくっちゃうぞ!」
「アホか、なんで俺のネタなんだよ。自分のこと話せばいいだろ」
「えー、やだよ。萌ちゃんの前で笑い者にはなりたくない」
口を尖らせる和虎に俺は萌と一緒に吹き出した。
「笑い者?!そんなの俺だって嫌だよ!」
和虎とのバカバカしいやり取りに声をあげて笑うのは
なんだか久しぶりだ。
隣で萌もころころと笑っている。
楽しい
息をするように自然にそう思った。
萌は愛らしい笑顔のまま
嬉しそうに俺を見る。
つやめく貝のような小さな耳に光るのは
あの海でもつけていたイヤリング
キラキラと揺れ光を放つ。
───私は笑ってる柊が好きなので、次は笑顔でお願いします───
ふと思い出す
萌がくれた言葉
そうだな
俺もこんな風に笑ってる萌が好きだ
今日は三人で
いっぱい笑おう