禁断兄妹
第57章 会いたかった
最後に三人でもう一度席につき
乾杯をして食事会は終わった。
あっという間の一時間半
本当に楽しかった。
「ねえ萌、この花瓶に挿してあるのはブーケなの。アタシから萌にプレゼント。お土産に持って帰ってね」
テーブルに飾られていた生花は
和虎の粋な計らいで最初から持ち帰れるようになっていた。
差し出されたブーケに
萌の瞳が驚きと喜びに輝く。
「わあ‥‥ありがとうございます!」
「良かったな」
「うん!‥‥綺麗だなあって思ってたの‥‥嬉しい!」
声を弾ませ
手渡されたブーケに見入る萌
「ありがとうな和虎。お前の心遣いには頭が下がる」
微笑みながら萌を見ていた和虎は
その穏やかな顔を俺に向けた。
「お礼を言うのはこっちのほうよ。今日は本当に素敵な夜だった。ありがとう。
‥‥萌、今日は本当に楽しかった。又会おうね」
「はい!和虎さん、本当にありがとうございました」
和虎と萌は
女子同士だからと和虎が主張してハグを
俺と和虎はハイタッチを交わした。
「‥‥柊兄、後で萌にツブツブあげてね。あの子からワインの匂いするわよ」
小声で耳打ちされた俺は頭をかきながら
「金払ってくる‥‥先に下りてるぜ」
部屋を出て
一階のレジへと向かった。