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禁断兄妹

第58章 嵐の夜


ベッドの中で夢とうつつを漂うように行き来しながら
カーテンの隙間から漏れる光で夜が明けたことを知り
その光が弱まり
闇に包まれていくことで日が落ちたことを知る。

時折鳴る携帯
着信音で誰からかわかる。

また修斗

私の記事が載った写真週刊誌はきっともう店に並んでいるのね
だからこんなに電話をしてくるのね

出れる訳がない

なんて言えばいい

気持ちの整理がつかない

また鳴った着信音は
修斗

鳴り止まない携帯に手を伸ばし電源を切った。

途切れたメロディに息をつき
部屋がしんと静まり返った次の瞬間
真っ暗な部屋にチャイムの音が響いた。

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