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禁断兄妹

第58章 嵐の夜


何日か前にも会えないかと柊君からメールが来ていた。
その時はスケジュールが合わなかった。

柊君から二度も続けて連絡が来るなんて


「話って‥‥明日発売される週刊誌に関係すること‥‥?」


聞かずにはいられなかった。


「え?‥‥週刊誌?」


聞き返す柊君の反応は自然で
何も知らないようだった。


「ううん、ごめん、なんでもない」


柊君の事務所は外国が本社
スキャンダルも宣伝の内という考えなのかその辺は放任だと前に言っていたから
本当に何も聞いていないのかも知れない。
ほっとしている自分がいた。


「待ってる。‥‥どれくらいで着く?」


「ありがとう。三十分もかからない」


じゃあ、後で
そう言って切れた電話

ありがとう、なんて
身体の関係になってから初めて聞いたかも知れない。

───お前にと思って───

そう言ってこのウサギをくれた柊君
あの日の飾らない雰囲気と
今の優しい声

胸の奥に熱が生まれ
暗闇を鮮やかに彩る。

打ち消そうとしても期待してしまう

零時を過ぎ日付が変わった今日は
私の誕生日

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