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「お嬢様。」

第15章 ふゆのかおり

........今日は屋上。

昼休み、雪が降りそうだからと、

ふたりで屋上に見物にきてる。

でも雪は降らない。

ふたりでおしゃべりしながら

待ってるのか、待ってないのか。

雲はずっと頭の上にいるのに。

そんなとき、

「赤西先輩っ........」

屋上の入り口から高い声が聞こえる。

あたしも龍太郎さんも

同時にそちらに顔を向ける。

「?」

「あたしと付き合ってくださいっ」

華奢な小動物みたいな子が

龍太郎さんにだきついてる。

凍りつく空気。

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