テキストサイズ

「お嬢様。」

第15章 ふゆのかおり

「先輩ぃ........すきぃ........」

ほんと可愛くてあたしも唖然とする。

「お前、だれだか知らないけど

フィアンセの前だぞ?離れろっ!」

そ、そうだよね?

あたし婚約者、なんだよね。

こんなときは怒らないといけないのに。

「あっ!ごめんなさぃ........」

捨て猫みたいな大きな目で

きゅう、と鳴くと龍太郎さんから

ゆっくり離れる。

でも制服の裾は離してない。

「離せって」

制服を引っ張ると

小さい身体が揺さぶられる。

「あぅ........」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ