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「お嬢様。」

第4章 かたち

朝起きて

スクランブルエッグと

サラダを簡単につくる。

ドレッシングは使わない。

オリーブオイルとレモンとビネガーで

十分美味しくたべれるから。

ワンピースがきたかったから、

薄めの化粧で

髪の毛もやんわり巻く。

香水は桃の香りを首下に。

ヒールを履くとマンションの下におりる。

と、龍太郎さんがスーツで立ってた。

「よ」

タイミングがいいのか、悪いのか

よくわからない。

彼はあたしの腰に手を回して

抱き寄せると

唇にまた合わせてきた。

くらくらする。

ほんと、いい香水の匂いに

つつまれて。

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